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済州島で、アイデンティティについて考える<1>

    韓国といって、まず、思い浮かべるものは何だろう? チマ・チョゴリ・・・。うん、あの艶やかな衣装は、見ただけで朝鮮という気がする。白磁もあるね。豊臣秀吉も魅了された美しい白い肌は、その文化の奥深さを感じるね。そして、やっぱりキムチと骨付きカルビかな。
    しかし、今日は思い切って、ワールドカップを思い起こそう。もちろん、サッカー。来年の6月には、いよいよ日本と韓国でワールドカップが開かれる。ドーハの悲劇から早8年(もうそんなにたつのかなあ)。最後の1分。今でもスローモーションであの場面が浮かぶ。テレビの前で泣いた。そしてその4年後のフランス。カズが外されたことだけは納得がいかないけれど(今でも岡田監督に訊いてみたいよ)、ともかくも、その雰囲気だけは味わった。そしていよいよ・・・。時は来た。

    今回のワールドカップは、日本と韓国の共同主催だという。日韓は近くにあっても、違う国。が、何故一緒にやらなければいけないのか? 日本人を嫌っている(と15年くらい前にソウルへ行った時に私は感じた)韓国人とうまくやれるんだろうか?
    そうだ、韓国でのワールドカップの盛り上がりを見に行こう。おお、すぐそこの済州島にも、競技場があるではないか。私なりの結論をみつけなければ・・・。私は済州島行きの機上の人となった。    

    済州島(チェジュドー)は、五島列島の西方200㌔、福岡からだと飛行機でわずかに50分の位置にある。東京へ行くより、沖縄へ行くよりはるかに近い。人口は50万人余、広さは1840k㎡、大阪府と同じくらいだそうだ。済州島の南の海岸沿い西帰浦(ソグィポ)には今、サッカー場が建設中である。

   済州国際空港(と言っても、こじんまりした素朴な空港だった)についたのは、お昼。まず、ガイドの辛(しん)さんが案内してくれたのは石焼ビビンバの店。あつあつの鉄鍋の中身を思い切りよくかき混ぜて、ごちゃごちゃにしていただく。ああ、これが本場の石焼ビビンバかぁ・・・。入国審査やら税関やらを通っても漠然としていた韓国のイメージに、やっと焦点があってきた感じ。よおし。我チェジュに着きたり。

    その昔、高乙那、良乙那、夫乙那という3神人が毛興穴(今の三姓穴)から湧き上がり、狩猟をやって暮らしていました。そこへ五穀の種と仔牛、仔馬を連れた3人の公主が東方の海上からやって来たので、 3神人は、公主を迎えて婚礼を挙げ、その時から農業をやり、牛と馬を飼った暮らしを始めたのです・・・。3人が湧いてきたという穴を指さしながら、ガイドの辛さんは語っている。だからこの穴には、特別の霊気があって、冬でも凍ることは決してないし、この穴を蔽う緑は枯れることはないんです。もっとも、物理的に言えば、霊気のためというのはあり得なくて、下に温泉でも通っているからだと思うけど・・・理論派の辛さんとしてはきちんと解説をしないと己を許せない。私たちは、神妙な顔をして、その話に真面目に頷く。
    辛さんの歴史の話は続く。
    高乙那の15代後の孫である侯、清、季3兄弟が、当時(古代朝鮮)の新羅(しらぎ)へ入朝して、(済州島は)耽羅(たんら)という国号を持つようになる。新羅、百済(くだら)、高句麗(こうくり)の三国時代にはこれらの国の臣下に下り、耽羅郡と呼ばれた。

TEXT/椎名 まこ
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