セザンヌ(フランス近代美術界の象徴的存在)が、こんなことを言っています。
「幸福とは自分の中に 『ベル・フォルミュール(美しい法則)』を見つけることだ。」
即ち、どこにでもある目の前の風景を、自分の感性で、自分なりの法則を見出し表現することで、誰もが心の安定と幸福を得ることが出来るというものです。
ちょっと大げさかもしれませんが、自然がくれたメッセージの中に私が見つけた法則は、実に凡庸で単純なものです。それは、
「光が強まると必ずそこに生じる影も濃くなるように、すべての物、事象は必在する二面性と共に絶えず変化し続け、やがて終焉を迎え、それに対して誰一人同じ捉え方をすることはなく、又、全てを捉えることもできない。そしてそこには必ず、個人の理由がある。」
というものです。
日常の生活の中では、往々にして当たり前のことが(特に望まぬ変化や喪失に対しては)受け入れられず苦悩することになりますが、圧倒的に大きな自然を目の当たりにすると、
これらの法則が毅然として揺らぐことなく立ちはだかり、それに従い受け入れざるを得なくなります。そうして見えてくる自分の風景は、なんと自由で美しく示唆に富んだものであることでしょう。その感動を自分なりに拙い文章にしたものを、エッセイ集「こころの喫茶室」として、2010年に発刊いたしました。(書籍は、久留米セントラルクリニックにて、ご希望の方に差し上げております。)
2019年、コロナが世界中を席巻し、私たちは一切の自由を奪われ、たくさんの不自由とストレスの中で生きることを余儀なくされてしまいました。出口の見えない苦境の中でも、皆さまに自分なりの風景を見つけて、コロナに耐える力を培っていただきたいとの思いから、これらのエッセイに、音楽と映像をつけてお届けすることを思い立ちました。これは、自分自身への励ましでもあります。まだまだ技術も未熟ですが、これから順次いろいろなエッセイをお届け予定です。共に、コロナに耐える力を養っていきましょう。
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