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南の島のゆるやかな時間の中で(マウイ)<1>

 『おはよう・・・』
 窓一杯に差し込んでくる明るくてまっすぐな光は、ベッドの中でまどろむ少年に向かって、語りかけた。何かしら予期せぬハプニングが起こりそうな、気持ち踊る朝。夢とうつつのはざまで、少年は、このわくわくする気持ちの素を思い出そうとまなこをこする。
    ああ、そうだ、ここは、ハワイだ。昨日飛行機に乗って・・・。
    昨日だか一昨日だか判然とはしないが(日付変更線のおかげで、今日という日はいつの日か)、福岡を19時20分に出発して、ハワイ・オアフ島に着いたのが朝8時10分。何せ飛行機の中で夕食を食べて、映画を見て、さあ寝よう、と思ったら、もう、おはようございまーす、だもんね。時差のある国に行くのは、これがつらい。くらくらしながら、飛行機を乗り継いで、マウイ島へ。昼食をとったり、バスの待ち時間があったりして、結局ここ、ワイレアのグランド・ワイレア・リゾート&スパに到着したのは、16時だった。みんなそれぞれにもうろうとした頭で庭を散歩していたら、母親なんか、歩きながら寝ていたよ。ったく、もう。
    そんな訳で、今日こそはマウイを満喫しなければ。さて・・・

■マウイ島での満喫プラン その1

   ハレアカラ国立公園を巡るツアー。ハレアカラは、世界最大級の休火山である。標高3055m、火口の周囲34km、深さ910m、面積49平方km。NASAの宇宙飛行士のトレーニングに使われたり、『2001年宇宙の旅』のロケに使われたのがここである。ここで見るサンライズは、格別らしい。が、朝3時起きらしいし、そうとう寒いらしい。ううむ。(ホテルのすぐ裏手に迫って見えるその雄大さは、登らずとも充分実感できる。)

■マウイ島での満喫プラン その2

   かつては、ハワイ王朝の都、捕鯨船の基地として栄えたラハイナの散策。ラハイナには、大きなショッピングセンターもいっぱいあるし、ホエール(鯨)ウォッチイングの船にも乗れる。ラハイナから、カアナパリまで、かつてさとうきびを運搬していた蒸気機関車に乗って、サトウキビ畑を走り抜けることも出来る。景色も素晴らしいし、何より、旅の気分を満喫できる。ううむ。(熊本の阿蘇ボーイみたいなものかなあ。あれは、お尻がちょっと痛かったもんねえ・・・。)

■マウイ島での満喫プラン その3

   このホテルのプール(なんと長さは600m!)を、その始点より終点まで泳破?することにより、プールにおける常識と非常識の壁を覆し、その意義を再認識するとともに、現状におけるプール界の新たな視点を見出すこと(つまりプールで遊ぼうって訳ね)。それがいいねー。

   マウイは面積約1883平方km(大阪府と同じくらいだね)、人口約92、000人(1990年)、面積の約10%はサトウキビ畑である。というと、なんだかおっとりとした田舎を想像してしまうけれど、年間の観光客は、220万人にもなるという(うち約7%が日本人である)。

    18世紀の終わりに、二度のカメハメハ大王の攻撃で、カメハメハ大王の支配下に置かれ、19世紀中ごろ、ハワイの首都がホノルルへ移るまで、ラハイナは首都として、また、捕鯨の町として栄えた。その後、捕鯨は衰退し、サトウキビ栽培が主産業にとってかわり、世界各地から、移民がやってきた。1940年代後半から各地にホテルが建設され、リゾート地として注目され始めた。
    もともと雨の少ないワイレア地区が、リゾートとして開発され始めたのは、1970年であるから、その歴史は、そう古くない。グランド・ワイレア・リゾート&スパは、一度来訪した人々の心に永遠に残るホテル・・・を目指して作られた。広大な敷地に、部屋数761、ハワイ最大、アメリカでも屈指のスパを持つ。

TEXT/椎名 まこ
E-mail : nagi@nagi-web.com