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永岡龍市先生のエッセイ集

≫小泉さんと日本の将来

    首相ではなく小泉さんと呼ぶのが相応しい、久しぶりの人気内閣が誕生して早一ヶ月が経とうとしています。
    このような人気は思い出されるのが、最近では田中角栄であり遡ればヒットラーでありました。この二人と比べられるのはお気の毒と思いますが、そのくらい小泉さんは未知数なのです。小泉さんが厚生大臣をしていたときは、厚生官僚の抵抗で案件が一件も挙がってこなかったため、読書ばかりしていたと独白していましたが、それは自民党の一構成員時代のあきらめであり本位でなかったと信じたいと思います。
    株価は正直で閉塞した森政権と違い期待感で上昇してきています。
    しかし、期待感だけでは本当の回復は出来ないのです。小泉さんと国民には2つの選択肢が用意されています。
    一つ目は、国民に相当の犠牲を強いることを本当に公開する変わりに、利権構造になってしまった官僚組織を完全に解体して、日本を根本的に変える。二つ目は現状のまま、時間をかけて徐々に移行して少しの痛みはあるが軋轢を生むことなく構造改革をする。
    さて、どちらの選択を国民は望みますか。
    昔、織田信長という日本唯一の革命児が居ました。
    宗教界の堕落と変革を理由に日ノ本根本道場といわれた比叡山を焼き討ちにしました。明智光秀は良心の僧が多く居るので助けてほしいと申し出ますが、信長は比叡山が堕落しても今日まで残ってしまったのはそのような良心の僧がいたせいであり、本当に殺すべきなのはそのもの達であると言って皆殺しを命じたそうです。
    方法論はともかく、必要な改革は破壊からしか芽生えてこないことも事実です。幸いまだ日本の製造業は頑張っているようです。
    教育改悪、外交接待、医療改悪、官僚を原因とする社会の歪は始まっています。改革するのは、小泉さんではなく我々国民全員なのです。
    あなた今度からちゃんと選挙に行きますね。
    さて、日本の将来を占うので外来語は一切使いませんでした。

(凪2001-5月号)

公認会計士/永岡 龍市


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