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永岡龍市先生のエッセイ集

≫世紀末と新しい時代

    世紀と言う言葉は、ヨーロッパではもともと100を意味するものでした。
    世紀末という言葉は19世紀末に流行りましたが、やはり世界の終焉という意味が含まれていたようです。
    19世紀の人々が恐れていたとおり、20世紀は戦争と浪費の100年でした。21世紀を迎え、多くの人々は20世紀の愚かしさを気づき始めています。いつの時代でも光と影はあり、希望と不安があるのです。
    これを書いている私は、新世紀の1/4くらいしか見ることが出来ないでしょう。19世紀の人々は恐怖を予感しましたが、私達は明るい未来を想像してみましょう。
    20世紀はまさにアメリカの世紀で、私達の生活スタイルは物質の無駄遣いで成り立っていました。コンピュータの発展と共に誰も経験したことのない早さで時間が過ぎ去っていきました。
    しかし、ITでは何も作る事は出来ないのです。
    たとえば、ワインは職人の技と発酵菌と自然で創られます。陶芸は火と土の偶然で生まれます。
    ヨーロッパを旅したことのある人ならおもうはずです、パリやローマの美しい町並みを目の当たりにすると、摩天楼はなんと醜いことかと。これらのものはすべて長い時間と人の英知が作り上げたものです。
    バレリーは、文化は血を流さない想像力の戦争であると言いましたが、想像力は心の衝動です。私達の心が眠ってしまわない限り、衝動は力を持つのです。
    心の衝動は文化を生み出すだけでなく、人を愛しみ、隣人を慈しみ、同じ星にいきる全てのものを大切に思う力を生み出すことが出来ます。
    その優しさがある限り、時間はゆっくりと100年を刻んで私達の未来は光り輝くと思います。
    さあ、皆さんの素晴らしい未来は始まったばかりです。
    ここで一曲ジョン・レノンのイマジンを歌います。
    "想像してごらん−"  残念!いくら21世紀になっても紙の上に私の美声を伝えることは無理なようです。
(凪2001-1月号)

公認会計士/永岡 龍市


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